リカタビ。フィールドトリップ:東京大学+外務省+科学技術館+国会議事堂+議員会館

2025.01.07

 

本校高等部生徒11名が12月19~20日まで東京研修へ行ってきました。

2022年度からはじまり3回目になる今年度も東京大学理学部の研究室〈岩崎純史 教授〉訪問をしました。(昨年度: https://sis.kwansei.ac.jp/news/detail/295

研究室で行われている最先端研究について,岩崎教授,安藤准教授,および学生の方々から高校生用に準備された説明してもらえました。最もシンプルな分子といえる水素分子陽イオン(H₂⁺)の光化学反応を超高速ポンプープローブ法でされている研究は大変興味深く,分子の振動のタイミングによって生成されるH₂⁺とH⁺の収量の増減が入れ替わってゆく様は,振動の様子を実時間で目の当たりにしているように思えます。この手法によって今までにないきわめて精密な計測ができたそうです。結果を解釈する簡単な量子力学の解説では,量子化された場を考えることによって,物理定数の普遍性を議論できるということに新鮮な驚きを感じました。

最先端の実験装置を間近で見ることができ,それに興味を持った生徒たちからは積極的に質問が飛び出していました。生徒のリクエストによって実際にレーザー装置の発振までしてもらえました。そのほか生徒たちは,年が近いこともあってリラックスして現役東大生の学生さんとも勉強などについての質問をしていました。その後,安田講堂地下の中央食堂で昼食をとりました。また,研究室訪問の前後には構内散策して満喫しました。

東大訪問の前日(1日目)には外務省を訪れました。ニュースで見る記者会見と同じ場所のプレスルームに生徒たちは感激した様子で外務大臣になったつもりでたくさんの写真を撮っていました。国際会議室での外交官講演では,本校卒業生の谷修造さんが登壇されました。生徒たちにとって大先輩であり,本校にちなんだものも織り交ぜながらの講演内容であったため,生徒たちは熱心に聞き入り活発な質疑応答をしていました。記念写真のあと取り囲むように質問を浴びせており,時間を押してもその場からなかなか去ろうとしなかったことからも,生徒たちにとても良い影響をもたらした訪問になったように思います。

そのほか1日目は科学技術館で様々な体験学習をしました。大阪にはない大変よくできた展示物が多く,生徒たちは飽きることなく昼食後から閉館時間まで楽しんでいました。その後,東京タワーまで移動し夕食をとりましたが,ここで東京に家がある本校の生徒(同級生)が会いに来てくれました。意外なところで会うことができて生徒たちは大喜びでした。

2日目の東大訪問のあとは,国会議事堂を見学しました。保護者の知り合いである議員秘書さまの取り計らいで議員会館へ通され,その衆議院議員事務所に荷物を置かせていただきました。議員会館上層階からは普段見ることのできない国会議事堂の裏を上から眺めることができ,皇居をその奥の日本武道館や丸の内オフィス街の景色を楽しみました。国会議事堂では,これも特別な計らいで,一般の見学者は立ち入ることができない中央塔真下の中央広間や,ニュースなどでよく見る党首討論や予算委員会などが行われる委員室,自民党総裁室などに入ることができました。

この東京研修は,本校「リカタビ。」の活動であり,今年で3回目となる恒例のイベントとなりました。今回はこれまでで最も多くの学びを得た研修旅行となりました。今後もぜひ発展させていけるよう努力したいと考えています。


(文責)理科:河野 光彦