里山家族 2026

2026.08.04

2026年7月3日-5日、関西学院千刈キャンプにて、SOISの高校生と7年生を対象とした夏のキャンプである「里山家族」を開催しました!

 
「里山家族」とは

毎年、SISに入学した7年生全員とOIS6年生が参加する2泊3日のキャンプです。3日間のプログラムを通して、6、7年生同士、そして6、7年生と高校生リーダーが交流し、家族のような繋がりを育むことができました。6、7年生にとって言語や文化を越えて「頼れるお兄さん・お姉さん」ができることは彼・彼女らのこれからのSOIS生活をさらに充実させてくれる素晴らしい財産となったことでしょう。


「生徒が創るキャンプ」

Field Rangersという高校生リーダーが1か月半以上かけてキャンプ活動のすべてを最初から作り、当日の運営も高校生が行うSISならではの生徒主体のキャンプです。担当教員と安全管理を徹底的に行い、思い出に残る素晴らしいキャンプを毎年企画運営します。そんなリーダーの姿を見て、6、7年生たちは「SOIS生としてのあり方」を学びます。

今年は、SISのみの参加となってしまいましたが、「染(そめる)」というテーマに沿って素晴らしいプログラムを作り、運営した高校生リーダーと前向きに思いっきり楽しんでくれた7年生、そして、様々な面で支えて頂いた多くの方々に心から感謝します。本当にありがとうございました!

以下は、本年度の里山家族の総合責任者である「村長」を担当した高校生リーダーからのメッセージです。

里山家族・Field Rangers メインディレクター 宗正 久志



里山家族で学んだこと

12年2組 竹内 大悟

自分にとってキャンプとはどのようなものか。
キャンプの概念そのものを覆してくれたのがこの里山家族です。
私にとって里山家族は、6年間にわたるSIS生活のすべての基盤であり、この学校の持つキラキラとした魅力を初めて肌で実感させてくれた原点です。

私が7年生だった2021年、世界はコロナ禍の真っ只中で、里山家族は学校内での開催を余儀なくされました。しかし、そんな制限された環境の中でも、まだ出会って数ヶ月の同級生たちと過ごした濃密な3日間は、私の心に忘れられないほどの鮮烈な衝撃を刻んでくれました。目の前で一生懸命私たちを楽しませようと輝いていた高校生レンジャーの姿に、私は強い憧れを抱いたのを今でも鮮明に覚えています。

しかし、当時の先輩方は、心に秘めた熱い想いややりたい企画があっても、安全面という見えない壁によって断念せざるをえないことがたくさんありました。制限がなくなった今、あの時「SISとはこんなに素敵な場所なんだ」と教えてくれた先輩たちの意思を受け継ぎ、今度は自分が村長として、これまでにない最高の里山キャンプを作ること。それが私がこの里山家族に挑む上での強い決意でした。

準備期間として与えられたのは、6月の約1ヶ月という極めて短い期間でした。その中で、2泊3日のキャンプをゼロから設計するのは、想像以上に過酷でタイトなスケジュールで、毎日のように約2時間半の放課後を共に過ごし、30人のレンジャーと本気で意見をぶつけ合い、千刈キャンプのスタッフの方々とも密に連携を取りました。高校生が実際にキャンプ場で木を伐採してキャンプファイヤーに用いるという里山史上初の試みをはじめ、私たちは1ヶ月という短い時間の中で、数え切れないほどの新しい挑戦、課題に泥臭く向き合い、一つずつカタチにしていきました。

こうした怒涛の準備から本番に至るまで、私はそれぞれに強い想いを持って臨んでいました。
準備期間中は、誰もが安心して本音で意見を出せる明るい雰囲気を作り、リーダー陣自らが全力で楽しむ姿を見せることを意識しました。
そして本番中は、ペアレンツだけでなく「ヒーロー」や「プログラマー」といった裏方を支えるレンジャーも含め、高校生一人ひとりの多様な個性が7年生に伝わるよう、全員が主役となって自分らしく関われる空気感を大切にしました。

そうして迎えたキャンプ本番中も困難の連続でした。降り注ぐ雨に対し先生方からは室内プログラムへの変更も提案されましたが、私たちはどうしても諦めきれず、高校生30人で安全な手立てを必死に考え抜きました。私は村長として天候と全体状況を見極めながらプログラムを臨機応変に変更し、レンジャー全員の粘りと素早い判断で、雨の合間を縫って念願の外でのキャンプファイヤーを実行することができました。あの瞬間の達成感と高揚感は今でも忘れられません。

里山家族では、毎年1つの漢字がテーマに掲げられ、私が7年生だった2021年のテーマは「彩」で、村長を務めた今年のテーマは「染」でした。振り返ると、私の里山での歩みは、まさにこの2つの言葉そのもので、7年生の頃、私たちは自分という個性を彩り、自分だけの色を少しずつ見つけていきました。そして今年、私は村長として、自分が培ってきた色で誰かを染め、同時に、仲間たちが持つ眩しい色に私自身も深く染められていくのを実感しました。
7年生のみんなも、それぞれ違う環境で育ち、全く異なる色を持ってこのキャンプに来てくれたと思います。そして、あの刺激的な3日間を通して、お互いの色を鮮やかに染め合い、私たち高校生からも、SISならではの色を受け取ってくれたと思います。

また、里山家族では毎年、その年のテーマ漢字に寄り添うテーマ曲を決めています。今年は、90人全員でキャンプファイヤーの温かい炎を囲み、絢香さんの「にじいろ」を歌いました。その歌詞の中にある、「これから始まるあなたの物語」という言葉を、最後に皆さんに送りたいと思います。

7年生のみんな。これから始まる皆さんのSIS生活を、自分の個性も仲間の個性も大切にしながら、自分たちの色でカラフルな物語を自由に紡いでいってください。
そして、1ヶ月という短期間で60人以上の中学生のためのキャンプを1から作り上げ、共に駆け抜けてくれた30人のレンジャー。どんな高い壁も仲間と協力すれば乗り越えられるというこの経験と誇りを胸に、それぞれの次の物語へ向かって進んでいってほしいです。

最後に、里山家族は、誰もが120%の全力を出し合い、本気だからこその壁や感情を分かち合いながら、自分自身を大きく成長させてくれる場所です。
それぞれが全く違う色を持ち、時にぶつかり、時に寄り添いながら唯一無二の「色」をみんなで創り上げていく。これこそが里山家族の美しさなのだと感じています。
このキャンプを通じてお互いの心に染め合った想いと絆は、これから先も色褪せない一生モノの宝物です。この体験が、参加したすべての人にとって人生のカラフルな1ページとなり、未来をそっと照らす温かい道標になってくれることを心から願っています。

このキャンプを作り上げることができたのは、30名の高校生レンジャー、先生方、千刈キャンプ場のスタッフの皆様、温かく送り出してくださった保護者の皆様、そして何より、全力で楽しんでくれた7年生のキャンパーの皆さんのおかげです。たくさんのご協力と素晴らしい感動を、本当にありがとうございました。