バイリンガルキャンプ「里山家族2023」
2023年6月25日-27日、大阪府泉南市紀泉わいわい村にて、本校の高校生と7年生、そしてOsaka International School(OIS)の6年生を対象とした夏のキャンプである「里山家族」を開催しました。本校にとっては史上初、2つの学校が合同で過ごした夏のバイリンガルキャンプでした!
「里山家族」とは
毎年、大阪の南、紀泉わいわい村を舞台に、入学したSIS7年生全員とOIS6年生全員が参加する1泊2日のバイリンガルキャンプです。2日間のプログラムを通して、6、7年生同士、そして6、7年生と高校生リーダーが交流し、家族のような繋がりを育むことができました。6、7年生にとって言語や文化を越えて「頼れるお兄さん・お姉さん」ができることは彼・彼女らのこれからのSOIS生活をさらに充実させてくれる素晴らしい財産となったことでしょう。
「生徒が創るキャンプ」
Field Rangersという高校生リーダーが1か月半以上かけてキャンプ活動のすべてを最初から作り、当日の運営も高校生が行うSISならではの生徒主体のキャンプです。担当教員と安全管理を徹底的に行い、思い出に残る素晴らしいキャンプを毎年企画運営します。そんなリーダーの姿を見て、6、7年生たちは「SOIS生としてのあり方」を学びます。
今年は、初めて合同キャンプ、そしてバイリンガルのキャンプでしたが、「栞(しおり)」をテーマに、素晴らしいプログラムを作り、運営した高校生リーダーと前向きに思いっきり楽しんでくれた6、7年生、そして、様々な面で支えて頂いた多くの方々に心から感謝します。本当にありがとうございました!
以下は、本年度の里山家族の総合責任者である「村長」を担当した高校生リーダーの感想です。
里山家族・Field Rangers メインディレクター 宗正 久志
里山家族で学んだこと
12年1組 三品 鴻
5月、僕がこのキャンプの高校生リーダーの中で、先生から「村長」という役職(高校生リーダーの中での中心的役割であり、このキャンプ全体の総合責任者)を告げられた時、今まで追いかけてきた先輩の背中がすごく近く、そして大きく感じたのを覚えています。村長という役職は自分が7年生の時に参加した里山家族で、ただ漠然とした憧れとともに「なりたい!」と叫んだ僕にとって思い入れのとても強い役職でした。
キャンプを成功させるため、僕たち高校生リーダーは、1か月半、遊ぶ時間を削り、勉強や部活などと両立をしながら、6年生と7年生の1泊2日、48時間のために毎日を過ごしました。このように、高校生が全員で心から本気になれる経験ができるのはこのキャンプ以外にはないと思います。僕はこのキャンプに3年間参加させて頂きました。
そして、このキャンプに参加してよかったなと思う瞬間は毎年同じで、中等部の子達が時間をかけて作り上げたこのキャンプの中で本当に楽しそうな笑顔になっているのを見た時です。みんなが楽しそうに話していたり、活動に参加しているところを見ると、溜まっているはずの疲れが嘘のように感じなくなったことを覚えています。それが3年間のキャンプを通して、何よりのモチベーションでした。
僕自身がこの村長という役職を通して一番学んだことは、「仲間との信頼関係を構築することの難しさとその大切さ」だと思います。
僕の役割は様々な役職のレンジャー全員と関わる機会はあるものの、全体の流れを見なければいけない立場でもあるため、1人1人の細かいところまで全員分把握することがなかなか難しい立場でした。そういった状況の中で、先生方からアドバイスを頂きながら、みんなをまとめる立場に立った者として、レンジャーみんなが安心できる雰囲気を作ることを意識しつつ、自らが先頭に立ち、積極的に行動することでリーダーとしての役割を果たすことに尽力しました。
村長として、レンジャー1人1人にそれぞれ別々の悩みがあり、全員が疲れている事をわかっているにもかかわらず、全員の力になりきれないことに苛立ちを覚えたりもしました。ですが、村長という立場である以上、僕が迷えば僕を頼ってくれているレンジャーも誰についていけば分からなくなる、仲間を僕が一番信頼しなくて誰が信頼するんだ、と思い、みんなを信じ続けました。そして最終的に、無事に全員の力でキャンプを成功させる事ができたことに僕は誇りを持っています。
僕たちレンジャーが参加してくれた6,7年生の子たちに伝えたいことは、「これから先の学校生活で様々な活動やグループワークがある中で、お互いに相手の視点に立ってリスペクトをもって行動することを忘れないで欲しい」ということです。
最後に、このキャンプが参加者全員の人生を振り返る時の大きな栞となって大切な思い出の1ページになり、それと同時に、この思い出や体験がこれからのみんなの人生において、未来を示すみちしるべになってくれれば幸いです。
一緒にキャンプを作ってくれたリーダーの皆さん、参加者の皆さん、サポートを頂いた先生方やスタッフの方々、素晴らしいキャンプをありがとうございました。