関西学院AOGIRIの皆さんとの人権学習
1/18(水)、11年生「歴史総合(近現代γ)」の時間にて、関西学院AOGIRIの皆さんをお招きして人権に関するワークショップが開催されました。AOGIRIは関西学院大学の学生を中心とした団体で、主に広島原爆胎内被曝者の方々の証言集を英訳し、世界に発信するという活動を行っています。
2時間にわたる事前準備で生徒たちは広島原爆の歴史的経緯や被害についてグループに分かれて調査し、発表をしました。そしてメインの授業では、実際の証言集をもとにしながら胎内被曝者の方々の声を紐解きつつ、「歴史を継承する」ということの意義について団体の方々とともに考えました。意見表明の時間には、「歴史を継承することの重要性」を主張するグループもある一方で、「核廃絶の難しさ」や、「現実に戦争があることに対する歴史学の無力さ」について主張するグループもあり、単なる「歴史学習」を越えた、深い学びを行うことができました。
なお、この授業は指定研究「関西学院と人権教育」の一環として行われました。
(文責)人権担当:菊池 康貴
(生徒の感想)
・私自身あまり原爆について考えたことがなく、授業で少し触れて暗記するために一時的に覚えただけであったが、「原爆」というテーマで話し合うとその裏側には想像以上に大変なことがあってそれを伝えてくれようとしている人がいることを考えるとそれをもっと広くの人に知ってもらい、もし将来そのようなことが起こりそうになった時にみんなに伝わっていたら1人でも多くの人が助かるのではないかと思った。AOGIRIには色々な場所から来た人がいて、それぞれの見方が違うためそれをもっと発信して欲しいと思いました。授業をしてくださり、ありがとうございました。
・当時起こったことを教訓にするため、後世に伝え続けることが必要だと思います。ただ時間の経過と共にそれはただの情報と化し、その時に生きていた人々の苦しみが伝わり難くなります。又、限りある寿命のせいで生の声である経験者が亡くなったり、若者の興味が失せてしまうと、より一層過去のものと外に置かれるようになります。例えば若者がウクライナ侵攻の報道を見て辛くなり、情報を発信するテレビを切ってしまえば、戦争の悲惨さを理解し難くなります。ただ悲惨さだけを伝え、若者に見たくないと目を瞑られてしまえば、戦争が何故悪いのかと言う本当に肝心な点が伝えられません。一方的に情報を投げつけるのではなく、自分達も関係していることを理解してもらう必要があります。本当に自分達が生きているこの世は平和なのか?自分達が戦火の中で生きたくなければ、どのようなことをすれば良いのだろうか?などと考えさせることで、戦争記憶の継承がいかに大切かを伝え、自らその継承に向けて動けるように助けることが必要です。
・胎内被爆者の方の話だけでも言葉で表せないような辛さだったということだったので、実際に見ていた方達はほんとに想像出来ないようなものを見てきていたのかなと思いました。「継承とは」を話していた中で絡みあっているというような話があってそこで「結婚の時広島出身か聞かれたなあ」と口に出したことによって、、と言っていたのを聞いて人生のいろんなところに絡んでくるし切りたくてもきれないようになっていると感じ、またそれの原因に被爆を体験していない側(広島県外の人)たちのちょっとした考え(胎内被爆者との結婚ってどうなの?など)が関わってきていると感じました。普段あまり意識したことがなかった継承や胎内被爆などについて考えたり知ったりすることができました。SISに話に来てくださりありがとうございました。